ハウルにしてもアシタカにしても、宮崎駿監督が描く少年はみんな弱みを持っている。
それは、「純粋すぎる」ということ。
世界に向かって、なんの衒(てら)いもなく夢を語り、理想を掲げる。
ところが「ロマン」を拠り所にするため、現実を前にするとボロボロに傷ついてしまう。
そんな迷いのない、まっすぐな姿は男性本来の魅力と言える。
純粋さは宮崎監督自身の人間性にも言えること。
ひた向きに創作活動に没頭するから、スケールの大きな愛が表現できるし、
私も氣持ちよく参加できるんです。
夢に生きる男、現実に生きる女。
どうして、これほど見事に男女の本質を捉えた表現ができるのでしょう。
美輪明宏(歌手)